そろそろうつ病15年目〜

30代。とりあえず生きていくよ~。10年以上のうつ闘病で体験したこと、感じたこと、考えたこと。何かあなたのお役に立つかも。

「うつ病になって良かった」?

うつ病になって良かった」


この言葉をどう思うでしょうか?
私は「わかるわかる」半分、「うーん」半分といったところですかね。

この言葉は、主にうつ病を乗り越えて(寛解させて)、割と元気に、通常通りに日常を送れている人からときどき聞きますね。

私も実際にうつ病克服した知人から、似たようなことを言われました。
その人は回復するまでに7年ぐらいかかったんですが、「うつ病になる前の自分は、他人に暴力を振るったり、犯罪まがいのことするのを何とも思っていないクズだった」と言っていました(これは極端なケースかもですが)。

自分と出会ったときは、そんなこと全然感じさせない、むしろ優しい人だったので、それを聞いたときは驚きでしたね。


まぁ何というか、「うつ病になる」ということはそれだけインパクトあり(トラウマになるぐらい)、人生観や価値観、アイデンティティに深く影響を与えるのだと思います。

これは私も納得で、実際に私も色々変わって得たものたくさんあります。
健康の尊さ、当たり前の日常がなんて幸せなことか、お金の大切さ、悩みや不安を抱えている人の気持ち、自分がどんな人間か、本当の思いやり・優しさ、などなど。


うつ病になる前の私って、割と人生真っ直ぐに上手く行っている(ように見える)方で、挫折や自分の弱さを知らない、傲慢な人間だったと思います。
周りからも要領の良い、人生楽しんでる人間みたいに見えてたかもしれません。それで上手く行ってるうちは良かったんですがね。

ところがどっこい、うつ病になって日常生活もままならなくなり、それが何年も続くと、それまで私という存在を形作っていたものがボロボロと剥がれ落ちていくんですね。

その剥がれ落ちたものを埋め合わせるためだったり、苦しい状況を受け入れるためだったり、逃避だったり…理由は様々ですが、徐々に新しい自分が再構成?されていきました。長い時間をかけて、徐々にです。そしてそれは今も続いています。


うつ病になって良かった」


この記事の初めに、私はこの言葉に対して、「半分は納得、半分はうーん」と応えました。

何故半分は「うーん」なのかというと、「もうたくさん学んだからさ、そろそろ開放してくんれないか…」という気持ちがあるからです。
10年も経つと、いいかげんにしてくれってなってきちゃうんですよね。


うつ病で「得たもの」を手に、また元気なれたら、なんて素敵だろうと心から思います。