そろそろうつ病15年目〜

30代。とりあえず生きていくよ~。10年以上のうつ闘病で体験したこと、感じたこと、考えたこと。何かあなたのお役に立つかも。

うつ病でもできるアルバイト⑤その2(倉庫内軽作業)

さて、前回は某有名大型倉庫の仕事内容と働くまで(採用まで)の流れを書きました。

今回から実際に倉庫でのアルバイト生活について書いていきます。


バイト初日。
前日、当日目覚めてからの不安がマジでヤバかったです。あの何も手につかない、辛くてどうしようもない感じ。

当時は
「規則正しい生活がうつ病にはいいんだ!」
という思考と
「働かなければ治らない!」
という脅迫的な思考が入り混じっていたため、おバカなことに朝8〜12時の勤務をしていました(笑)
今思えば確実におかしな思考回路でした。



不安、息苦しさ、ひどい倦怠感、頭が働かない、対人恐怖などの症状をグッと押し込めながら、倉庫の最寄り駅に到着。

駅から倉庫までは、同じ倉庫アルバイターと思われる人たちが、ぞろぞろと列を作りながら歩みを進めています。
このとき、うつ病せいもあってか、その光景が何とも陰鬱で灰色がかったものに見えたのを覚えています。
負け組、失業、貧困などのワードが頭をよぎりました(今思えば失礼な話ですが)


そして倉庫の入口へ。
事前にもらっていた写真付きカードキーを自動改札機みたいのにピッとして入ります。
セキュリティがかなり厳しいんです。


そしてロッカールームで身支度。
1部屋を男女で分けて使用しているのですが、このロッカールームの雰囲気が何とも暗い(笑)
一部の人を除き、みんな黙々と準備をしています。

倉庫内に持ち込んでいいもの、持ち込んではいけないもの(スマホなど)、が厳密に決まっており、それを破るとイエローカード的なものが溜まり、違反を何度も繰り返すと(5回ぐらい?)、最悪クビになります(笑)
あと倉庫内では安全靴着用です。


そしていよいよ倉庫内へ。
「うわー広ぇー。そしてけっこう寒びぃー」
というのが第一印象。冬でしたからね。

私が初めに配属されたのは、ダンボールに梱包された荷物を、大型トラックに積んでいく部署。つまり倉庫の最終段階の場所ですね。


初めに詰め所みたいな場所に行って、カードキーのバーコードを機械に読ませて、出勤完了。あとはその日の配置みたいのを確認しますが、働き始めの私にはわけワカメです。

そして始業時間に。
まず軽い朝礼みたいのがあって、ラジオ体操が終わるとみんな足早にそれぞれの配置に散っていきます。

「え!おれはどうすればいいの?」

軽く放置だったので、リーダーっぽい人に聞きに行きます。なんだか忙しそうでした。
私の配置は、ラインに流れてくるダンボールを、送り先ごとに台車(カゴ台車といいます)に積んでいく作業のようです。
積み込む台車を間違うと後々大変なので、「絶対間違えないように!」と指導されます。


流れてきたダンボールに貼られている、ラベルの数字を見て、任意の台車に積むという単純な作業です。健常者なら余裕だと思います。
うつ病がけっこう回復してきた人なら良いリハビリになりそうです。

しかし私はうつ病中〜重症患者。なかなかのハードさです。ですができないほどではない。
ダンボールは重いものもあれば、軽いもの、形も様々なので、それを考慮して積んでいく必要があります。気分はテトリスをやっているよう。

朝イチはそうでもないのですが、時間が経つに連れて、流れてくる荷物の量がどんどん増えてきます。
そしてだんだん荷物を捌ききれなくなり、ラインが渋滞を起こすと、大きなアラームが鳴って、リーダーや派遣会社の社員が飛んできます。
一番「川下」であるこの部署が止まると、他の部署のラインも停止してしまうらしく、リーダーや社員は必死です。

半ギレ気味になる社員もいましたが、
「いやいや、初日のバイトに説明なしにライン1つ担当させるなよ」
と思いつつも、対人恐怖が強かった私は黙々と作業を続けました(優しい社員さんもちゃんといますよ)。


しばらくの間はこの作業を続け、
「これならなんとかやっていけそうだな」
と思っていたのも束の間、次は台車をトラックに積み込む役割に配置換えされました。
しかもまた仕事に関する説明は無しです。
「習うより慣れろ」スタイルですね(笑)

元気なときなら、むしろ得意なスタイルだったのですが、メンタルも体も弱々で頭も働かない状態ではなかなか辛く、トラックの運ちゃんや熟練バイトに怒られ、早々に参ってしまいました。


こうなるともう仕事に行くのが怖くなってしまうんですよね。
しばらく悩んだ結果、バイトを辞めることにしました…

「こんなこともできないのか…」

劣等感、恥ずかしさ、情けなさ…様々な負の感情が渦巻くなか、ホッとする思いも少しありました。


そして意を決して、倉庫内にある派遣会社の事務所に行って

「仕事の説明もないまま、すぐに配置換えされて、こんな状態だと働けないので、辞めさせてください…」

今考えれば真っ当な意見かもしれませんが、当時は情けなさと恥ずかしさ、そして「ヘタレだと思われてんだろーな…」とかなり悲観的に考えていました。


そうすると
「じゃあウチの違う部署で働くのはどう?」
と意外な返答が。
上司らしき人が、当時の私より若い部下に「そっちはいけるよね?」と投げかけるとその部下は「大丈夫だと思います」と。

バイトの人数を確保しておきたかったのでしょう。
正直あまり気乗りはしなかったのですが、「もうちょっとだけ頑張ってみよう」と思い直し、倉庫勤務を続けることとなったのです。


(つづく)


忘れちゃいそうなので、今回書いたの荷物の積み込み作業のメリット・デメリットを書いておきます。

(メリット)
・体を動かすので、うつ病回復期後期〜維持期のリハビリには良い
・仕事内容が単純。一度覚えればルーティン作業となる
・多少のコミュニケーションは必要だが、基本的には黙々作業系

(デメリット)
・立ち仕事で休みなく動くので疲れる
・同じ動作を繰り返したり、重いものも持つので、腰や関節を悪くするかも
・夏は暑く、冬は寒い(トラック搬出口の側なので)
・仕事をちゃんと教えてくれない笑(これは職場と人によるでしょう)


何となく殺伐とイメージを抱いた人もいるかも知れませんが、普通に、大学生、主婦、フリーター、失業者、老人と老若男女が働いていて、何か聞けばちゃんと答えてくれるし、優しい人も多かったなー
ヘンな人は1人ぐらいいたけどね